英領インド洋(2)

 一昨日に続いて英領インド洋ですが,一昨日同様1975年に発行された島の地図シリーズの1種で,今日取りあげた上の切手はディエゴガルシア島です。  同じシリーズの切手ということで,今日の切手図案にも経緯度の数字が示されていますが,一昨日のアルダブラ島(46°13′E)とこの72°26′E)ではかなりの経度差がありますが,実は今日のディエゴガルシア島の方が,一昨日書いたモルジブの南方チャゴス諸島にあり,アルダブラ島はアフリカ大陸に近いマダガスカル北方に位置しており,現在は独立国セイシェルの一部になっています。  図案でわかるように2つの島とも環礁を形成していますが,位置的にはディエゴガルシア島の方がインド洋中央部ということで,南アジア,中東,東アフリカをにらむ軍事上重要な拠点になることは言うまでもなく,イギリスが島をアメリカに貸与する形で,米軍が大規模な基地を建設し,そのために住民がモーリシャスに強制移住させられたという歴史があります。

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英領インド洋

 今日はマヨット島をさらに東へ進み,インド洋のほぼ中央に位置する英領インド洋です。具体的にはモルディブと赤道をはさんで南方に対峙するチャゴス諸島が,この英領インド洋に当たります。  もともと,マダガスカル東方に位置するモーリシャスの属領扱いの地位でしたが,モーリシャス,さらにはセイシェル独立後は分離して,同諸島単独の英領地域になっています。  同地域は1968年から独自の切手が発行されていますが,上の切手は1975年に英領インド洋10年を記念して発行された島の地図シリーズの1種で,アルダブラ島の地図が描かれています。図案でわかるように見事な環礁ですが,中央上部には経緯度の数字が示されており,その位置を知ることができます。  そして,その数字の前にわざわざLAT.(latitude),LONG.(longitude)という緯度,経度を意味する単語の表記があるのがめずらしいのですが,テーマティクやトピカル収集をしていると,このように印面の表記から,単語の勉強にもなることがあるわけです。

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マヨット島(2)

 一昨日,マヨット島は1997年から新しく独自で切手を発行していると紹介しましたが,その10年後の2007年に郵趣10年を記念して発行されたのが上の切手です。  図案には島の地図が描かれているだけなのですが,その島の中に今までに発行された切手が多く組み込まれたデザインになっています。いわゆる切手の切手という範疇に入るモノということになりますが,さて,何枚の切手が島の中に入っているでしょう。  よく見ると,本島と属島の中の最も大きな島の2つだけが描かれており,一昨日の切手には描かれていた,その他の小さい属島の島々は見当たりません。さすがに,小さい島を描いてもその中の切手図案まではわからないので,意味がないと言うことでしょう。

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