クリスマス島

 今日は,先日までのココス諸島からさらに東へ進んで,インドネシア,ジャワ島の南方400kmに浮かぶ同じくオーストラリア領のクリスマス島です。  1888年以降イギリス領で,長らくシンガポールの属領扱いが続きましたが,シンガポールがマレーシアから分離独立した1958年以降オーストラリア領となります。  上の切手は,1983年にその25周年を記念して発行されたもので,同島とオーストラリアの地図が2つの輪の中に並んで描かれています。切手図案では同じくらいの大きさに描かれていますが,世界最小とは言え方や大陸,一方は面積135平方kmの小島ということで,実際には,クリスマス島はオーストラリアの約6万分の1の面積しかありません。  同島は海鳥糞の集積によるリン鉱石の産出が多く,その鉱山や積み出しを描いた切手も発行されています。

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ココス諸島(2)

 一昨日に続いてココス諸島ですが,同諸島は進化論で有名なダーウィンがビーグル号の航海で立ち寄った島でもあります。そして,この環礁を観察する中で,太平洋の各島で見たサンゴ礁を含めて総括的に考察し,サンゴ礁の形態のちがいを島の沈降によって説明する沈降説を発表することになります。  上の小型シートは,1981年にダーウィンの航海150年を記念にして発行されたもので,ココス諸島における環礁の地質断面図が描かれ,資料的にも価値ある図案になっています。海面上に姿を現す環礁の部分を2枚の切手印面部分にするというデザイン的にもなかなかのセンスです。  さらに,シート地上部にはダーウィン自筆の論文が記されているというオマケまでついています。

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ココス諸島

 非独立地域の地図切手,今日は英領インド洋のチャゴス諸島からインド洋をさらに東へ進んで,インドネシア南西に浮かぶオーストラリア領のココス諸島です。  一般にはなじみのない同諸島は,インドネシア系の住民が居住していますが,イギリス領を経て1955年からオーストラリア領になっています。そして1963年から独自の切手が発行されており,上の切手はその一番切手シリーズで,同諸島の地図を描いた純地図切手です。  図案からわかるように,一昨日まで紹介した英領インド洋の2島と同様,見事な環礁を形成しているのがわかります。単色の渋い色合いの地図切手で良いのですが,経緯線の数字が示されていればもっと良かったと言う感じがします。

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