マヨット島

 再びアフリカ大陸周辺の非独立地域に戻りますが,以前紹介したアセンション島やセントヘレナ島など大西洋上ではなく,喜望峰を回り込んで,今日はインド洋上に浮かぶマヨット島です。  同島はアフリカ大陸とマダガスカル島の間に位置するコモロ諸島の一つですが,このコモロ諸島はフランス領マダガスカルの属領としての地位が長らく続きますが,1975年にコモロとしてフランスから独立します。  ただ,一番南東にあるこのマヨット島だけは,フランス人が多いこともあってフランス領にとどまることになり,現在に至っています。そして1997年からは独自の切手を発行しています。  上の切手は1999年に発行された地図切手で,図案には同島の位置を示すアフリカ周辺図さらには棲息する動物とともに,大きく同島の地図が描かれています。なかなか複雑な形態をした島ですが,よく見ると,周囲には属島が多数あることがわかります。

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フォークランド諸島航空書簡

 ここ数日フォークランド諸島およびその属領の地図切手を取りあげてきたのは,本来アフリカ周辺の非独立地域の地図切手を紹介している中で,アセンション島の地図切手に次いで,同島がフォークランド紛争時にイギリス空軍の中継基地になったという関連から,横道にそれてフォークランドの切手を取りあげたのがはじまりでした。  そろそろアフリカ周辺の方へ戻らなければなりませんが,今日は最後にもう一枚ということで,そのアセンション島とフォークランド諸島の関係が深いことを示すモノを取り上げることにします。  それはフォークランド諸島発行の航空書簡で,料額印面側に大西洋の地図が描かれ,イギリス-アセンション島-フォークランド諸島を結ぶ航空郵便ルートが大きく示されています。  私の方はこちらの地図に目が行くのですが,料額印面には鳥が描かれており,鳥切手コレクターは当然そちらの方に目が行くはずです。サラに裏面にはペンギンなどフォークランド諸島の風景写真が3枚描かれており,まさにテーマティクやトピカルコレクターには格好のマテリアルです。  外国には官製絵葉書なども含めて,このようなポスタルステーショナリーが豊富に存在します。日本も(あることはあるのですが)もっと増えないかなといつも思っているのですが,特に地図関係が少ないのが残念です。

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サウスジョージア島・サウスサンドウィッチ諸島

 一昨日はサウスジョージア表記の切手を紹介しましたが,1982年のフォークランド紛争に敗れたアルゼンチンは,紛争後もフォークランド諸島およびサウスジョージア島・サウスサンドウィッチ諸島の属領の領有主張を続けています。  それを牽制するようにイギリス側は,サウスジョージア島にサウスサンドウィッチ諸島の名を併せて表記した切手の発行を1986年からはじめ,現在に至っています。これらの島がイギリス領であることをはっきりとアピールする意図が伺えます。この両島名併記切手の発行がはじまってからは,フォークランド属領という表記の切手は発行されなくなっています。  上の切手はその両島の名が併記された地図切手で,1994年に南極探検家ラルセンのサウスジョージア島到達100年を記念して発行されたものですが,図案の地図は同島にある港の一つジェースンハーバーが描かれています。ただ,経緯度が示されていないため,島のどの部分に当たるか,残念ながら図案の地図からはわかりません。

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