ジブラルタル(2)

 一昨日に続いてジブラルタルです。その一昨日に,ジブラルタルは高さ426mの岩山からなっていると書いたのですが,今日紹介するのは,「ジブラルタルの岩」と称されるその岩山の断面図を描いたものです,地図切手に入るかどうかは難しい所ですが,変わったデザインの切手ということで取りあげました。  上の切手は,1969年に新憲法を記念して発行されたもので,何といってもこのデザインが注目に値します。岩山の断面図の形に沿って目打ちが入るという変形切手で,この斬新な図案を眺めるだけでも楽しくなります。  なお,この「ジブラルタルの岩」に関しては,郵趣2月号の巻頭特集,椙山哲太郎さんによる「世界切手印刷事情」の中でも,2002年発行の切手が取りあげられ,実際の岩の主成分である石灰岩の粉末を使った盛り上げ印刷の一例として紹介されていますので,ぜひ御覧下さい。  この特集記事「世界切手印刷事情」は,その解説,内容とも読み応え,見応え十分の内容になっており,本当に参考になります。

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ジブラルタル

 今日はイギリス直轄領のジブラルタルです。イベリア半島南端に近い同地は,地中海の入口,出口として重要なジブラルタル海峡に面していますが,スペイン継承戦争終結時の1973年に締結されたユトレヒト条約により,スペインからの譲渡によってイギリス領になります。  このジブラルタル,地形的には高さ426mの岩山が砂州によってつながった陸繋島で,地中海の出入り口を見張る,まさに自然の要塞という感じです。近年になってスペインは返還要求を続けていますが,軍事上重要なこの地をイギリスはなかなか手放しません。  上の切手は1964年の新憲法を記念して発行された加刷切手で,原図案の地図はジブラルタル海峡付近を描いています。最狭部12kmの同海峡をはさんでスペインとアフリカ大陸が向かい合っていますが,ジブラルタルは地図の北東(右上)部に細長く南に突き出している部分で,厳密にはイベリア半島の最南部ではないことがわかります。

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マン島

 チャネル諸島のガンジー,ジャージー以外にイギリスの自治領として存在するのが,イングランドとアイルランドの間のアイリッシュ海に浮かぶマン島です。オートバイレースで有名なこのマン島も,郵政が1973に独立して以来,独自の切手が発行されています。  上の切手は1999年に発行された,ちょっと変わったデザインの切手ですが,レコード盤の上に「マサチューセッツ」と曲名が書かれた図案になっています。そして中央に島の地図が描かれており,その中に年数が記されていますが,これはそのレコードの発売年です。細長い島の形態がよくわかる図案ですが,マン島の存在を知らない人にとっては,地図切手とは気付かないかもしれません。  この切手は同図案刷色ちがいで6種発行されたうちの1種で,マン島出身の人気男性ボーカルグループであるビージーズのヒット曲6曲について,その曲名と発行年をそれぞれ示した切手になっているわけです。

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