ルワンダ

 今日はコンゴ民主共和国の東隣の小国ルワンダです。同国は2つのコンゴから2年遅れて1962年にベルギーの信託統治領から独立します。  上の切手は以前にも紹介したことのある切手と,ほぼ同図案の額面,刷色ちがいですが,1962年に独立を記念して発行された1番切手シリーズの1種です。図案には同国のアフリカの中での位置を示す地図と独立時の大統領カイバンダが描かれています。  同国は農耕民フツ族の居住地であった同地に,15世紀になって北方から移住してきた遊牧民のツチ族がフツ族を支配,17世紀にはルワンダ王国を築くという歴史があります。そして1961年,ベルギーからの独立運動の指導家フツ人のカイバンダによりツチ人国王が追い出されることによって,王政が廃止され,1962年に共和国として独立します。  独立後もフツ族とツチ族の対立が残りますが,1990年代前半には激しい内戦が起こることになります。ちなみに,現在はツチ人のカガメ大統領が政権を握っています。

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コンゴとゲバラ

 再びコンゴへ戻って,地図と人物が描かれている切手ですが,今日はもう一つのコンゴ,すなわち現コンゴ共和国の地図を描いた切手です。  現コンゴ共和国は,ベルギー領であったコンゴ民主共和国に対して旧フランス領赤道アフリカから独立した国で,独立年は同じ1960年です。独立後の経済政策の失敗から親西欧・親仏政権のユールー大統領が1963年に辞任,その後労働組合と軍部を主体にする左派的政権が誕生しますが,1968年の軍事クーデターで軍事左派政権に移行します。  このような流れの中,1965年に左派的民族運動支援のため同国を訪れたのが,カストロとともにキューバ革命を成しとげたことで知られる革命家チェ・ゲバラです。  上の切手はキューバから2000年にゲバラのコンゴ訪問35年を記念して発行されたもので,ゲバラとコンゴ共和国の地図が,アフリカの中での同国の位置を示す地図とともに描かれています。  図案の地図をよく見ると,国境線の部分からヒゲの様に細く伸びている線がありますが,これは河川の流れを示しています。なぜか,国内の部分を連続して描いていないので,わかりにくくなっています。

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インド国連軍

 今日は突然インドの地図切手になります。先日来紹介しているように,コンゴ動乱では,その解決のために国連軍が派遣されますが,それに関連した地図切手ということで取りあげたものです。  上の切手は,インドから国連軍の一員としてコンゴに派遣された兵士に対する軍事郵便用の切手として1962年に発行されたもので,加刷がそのことをはっきりと示しています。  ちなみに,台切手は1957~59年にかけて発行されたインド地図切手の定番とも言える普通切手の多種シリーズで,そのうちの6種についてこの加刷切手が発行されています。

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