地形図切手(2)
今日も地形図切手ですが,上の切手は1970年にトルコから地形図製作75年を記念して発行されたものです。ということは同国では1895年に地形図製作が開始されたことになり,日本とほぼ同時代と考えてよいことになります。
図案の地図を見ると,印面右側寄りには等高線の入った地形図が描かれていますが,左側および上下周囲には山岳地帯を「ボカシ」の表現で描いた地形図が示されています。この「ボカシ」は北西の方向から光を当てた想定でその陰影の濃淡で起伏を表現する方法で,外国の地形図にはしばしばみられるものです。
なお,印面中央部には航空機が描かれていますが,地形図製作は切手発行の1970年当時,航空機から撮影された空中写真を利用して実体視(立体視)することにより位置や高度を測量する空中写真測量が,従来の現地での測量に変わって主流になったことを示しています。
この空中写真の利用は,地形図製作の歴史において,いわば地図の技術革新とも言うべき画期的なものでした。