ウェゲナーのパンゲア

 地図の歴史の中における地図投影法の考案は,地理学の発展にともなう「主題図の登場」と関係していると先日書きましたが,その主題図の発展に大きく貢献したのが,自然地理学の祖と呼ばれるドイツの探検地理学者フンボルトで,彼は南米探検の報告書で植生帯の分布を気温との関連で等温線を用いて示している。  今日紹介するのは,そのような主題図の一つで,同じく自然地理分野で活躍した気候,地質学者で極地探検家でもあったウェゲナーが著した「大陸移動説」の中に示された大陸復元図です。現在の大陸が一つにまとまって形成されていたパンゲア(超大陸)を描いた地図(3億年前の大陸分布)が図案の記念印が押された,ウェゲナー没後50年を記念する切手で,オーストリアから1980年に発行されたものです。

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