マゼラン海峡
アフリカを周回し,インド航路を開拓して東へ進んだポルトガルに対して,大西洋を西へ進んだスペイン。この両者の東西への道のりを結びつけたのが世界周航を成し遂げたマゼラン隊ということになります。
マゼランは1520年に南米大陸南端を周回してマゼラン海峡を通過して太平洋に出ます。しかし,彼は海峡のすぐ南側の陸地(フェゴ島)を島と認識できず,その存在が信じられていた未知の南方大陸の一部と考えたことがその後の地図にも反映されます。
上の切手は,探検家と地図を図案に,新大陸到達500年を記念してハンガリーから発行(発行年は1991年)された切手の1種で,マゼランとともに,マゼラン海峡とその南に南方大陸を描く地図が図案になっています。この南方大陸の存在が否定されるのは18世紀後半のクックの航海を待たねばなりませんでした。
このマゼランの航海により,太平洋をどう描くか,アジアと北米大陸の関係をどう描くかという課題を持ちながら,地図製作者達による地図の歴史が続くことになります。