カンティーノ図

 先日来紹介してきたコーサの地図がスペインの探検資料による地図であったのに対して,ポルトガルの探検成果をふまえて描かれた同時代の地図に,1502年に製作されたカンティーノ図と呼ばれる地図があります。  上の切手はそのカンティーノ図を描いた地図切手で,1968年にカーボベルデから探検家のカブラル生誕500年を記念して発行されたものです。この地図はポルトガルで製作されましたが,イタリア人のカンティーノが秘密主義をとっていたポルトガルから持ち出したものです。  図案の地図を見ると,コーサの地図にくらべて,アフリカ大陸や南米大陸東部(現在のブラジルに該当)の沿岸の形態が正確さをましています。これは1498年のヴァスコ・ダ・ガマのインド航路開拓と同じくインドへの航海中にブラジルに漂着したカブラルの成果を表した結果ということができます。  さらにこの地図をよく見ると,印面中央左寄りに赤字の説明とともに1494年のトルデシリャス条約によるポルトガルとスペインの領土分割境界線が明示されており,ブラジルはこの線から東へ大きく張り出して描かれています。

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