コーサの地図(2)
昨日紹介したコーサの地図には,アメリカ大陸のすぐ東に縦の線が濃い色ではっきりと示されています。
これは当時,東へ西へとアジアへの進出を争ったポルトガルとスペインが,新しく到達した土地に関してその領有の境界を明確に決めた条約にもとづくもので,境界線の西側の土地はスペイン,東側の土地はポルトガルと決められたわけです。
このコーサの地図では,キューバなどカリブ海の島々も含めて南北アメリカ大陸のほとんど全てが,スペインの土地であることを主張するように描かれています。
なお,新刊の拙著「切手が伝える地図の世界史」では,このコーサの地図の境界線以西の部分だけを描いた地図を載せ,料額印面にコーサの肖像を図案として使った,スペインのめずらしい官製絵入り葉書も紹介しています。