コーサの地図
先日コロンブスの兄弟の地図を紹介しましたが,今日はコロンブスの第2回航海に水先案内人として同行したファン・デ・ラ・コーサの地図が描かれた切手です。
上の切手は(小型シートの切手部分)は2000年にスペインからコーサの地図500年を記念して発行されたものです。すなわち,この図案の地図が製作されたのが1500年ということになり,1493~96年のコロンブスの第2回航海の成果を取り入れた地図として意義あるものです。現在はマドリードの国立海洋博物館に所蔵されています。
図案の地図がちょっとわかりにくいのですが,中央左(西)の方に第1回航海で到達したイスパニョラ島,そして第2回航海で到達したジャマイカ島,プエルトリコ島,さらに第1回,第2回航海で沿岸を航行したキューバの位置関係がほぼ正しく描かれています。(左上方と下方の濃い色の部分は現在の南北アメリカ大陸の部分を示しています)
コロンブスはキューバをアジア大陸の一部と考えましたが,このコーサはキューバを島として描いている点が注目されます。また,この地図はヨーロッパ,アフリカとアメリカを同時に描いた最初の地図という評価がありますが,アメリカが新大陸との認識はなく,同時期にインド航路を開拓したポルトガルの地図とちがって,地図中央部のアフリカ大陸の形態は正確ではありません。