コロンブス兄弟の地図
拙作「切手が伝える地図の世界史-探検家と地図を作った人々-」はサブタイトルの通り,地図の歴史を探検家の足跡とともにさぐるという構成が,とくに第2~第4章で展開されています。
ということで,しばらくそこに登場する切手の一部を紹介していこうと思います。大航海時代の探検家といえば,まずコロンブスということになりますが?,そのコロンブスの航海に同行した弟バルトロメウによって描かれた地図を図案にしたのが上の切手です。
コスタリカからコロンブスのアメリカ到達500年を記念して発行された(発行は1987年)もので,図案の地図はコロンブスの第4回航海後に描かれた地図の一部で(実際の地図はヨーロッパや南米北部に当たる部分も描かれていますが)中米に当たる部分が示されています。
よく見ると北回帰線,赤道も描かれており,コロンブスがこの地を新大陸と認識せず,あくまでもアジアであるという考えに固執したことがASIAという地名に反映しています。また,北西にみられるセリカ(中国)の地名は古代プトレマイオスを受け継いでいます。