南極(中国)

 昨日,南極条約10周年記念のチリの切手を紹介しましたが,この南極条約というのは,南極地域における軍事利用の禁止と科学的調査の自由を認めるため,領有権の凍結を取り決めた条約で,1959年に調印され1961年に発効します。  そして今日の切手は,同じくその南極条約30周年を記念して1991年に中国から発行されたものです。昨日の切手と同様南極大陸の地図が描かれていますが,よく見くらべてみると,その形(輪郭)が少しちがうことがわかります。  実は昨日の切手図案の地図は,一方の端が陸地とつながった状態で海に浮かんでいる氷厚,面積ともに大きな棚氷と呼ばれる氷盤も含めて描いています。それに対して今日の切手の図案の地図は,正真正銘の陸地の部分だけを描いた真の南極大陸の地図ということになります。

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南極(チリ)

 世界各大陸の地図切手の最後ということで,今日からは南極大陸に変わります。その最初として紹介する上の切手は,チリから1971年の南極条約10周年を記念して翌1972年に発行された切手に,料額変更の加刷をして10年後の1982年に発行されたものです。  図案の地図には南極点を中心に緯線が同心円で描かれています。これでわかるように南極点は南極大陸の中心からややずれて位置しています。  ちなみに,示されている緯線の間隔は15度間隔で,南緯75度と60度の線が描かれています。その間に示されるもう1本の線は南緯66度33分の線で,これより高緯度側が南極圏となることを示す線です。よく見ると,南極大陸の一部でも南極圏に入っていない部分があることがわかります。

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アフリカ(日本)2

 昨日紹介した切手は横連刷切手ということで,今日は野口英世の肖像が描かれたもう1枚の切手も合わせた画像で紹介したいと思います。  昨日も書いたように,地図図案の切手の右側耳紙にもアフリカ大陸の地図が描かれているのですが,野口英世の肖像の左側の耳紙にも同様に描かれています。したがって野口英世の切手と耳紙のアフリカ地図という組み合わせも構図として可能ですが,それもなかなかのものだと思います。  ところで,この図案の地図をさらによく見ると,大陸内部にビクトリア湖とチャド湖を描いていることも特徴的です。ビクトリア湖はアフリカ最大の湖ですが,チャド湖より大きいタンガニーカ湖やマラウイ湖は描かれていません。

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