南極(豪領南極)

 一昨日のノルウェーの切手に続いて,今日も南極大陸の領有主張をアピールする地図切手で,1957年にオーストラリア領南極から第3回国際地球観測年に合わせて発行されたものです。  図案には皇帝ペンギンとともに南極大陸の地図が描かれていますが,この南極大陸の描き方も,緯度何度の線を上に持ってくるかで見た目の形状のイメージが変わってきます。今日の切手の場合はオーストラリア大陸を同時に上方に描いているため,今まで紹介した切手の南極大陸を回転させた位置になっています。  そして図案の南極大陸の地図をよく見ると,オーストラリア大陸のちょうど南方にあたる地域を同じ淡い色で描き,その領有を主張していますが,南極大陸全体の半分に近い広い地域になっています。

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南極(ノルウェー)

 南極大陸を描いた地図切手,今日の切手は1957年にノルウェーから国際地球観測年を記念して発行されたものです。  図案の南極大陸の地図を見ると,昨日のソ連切手(1956年発行)同様,南極大陸のうちロス海の海岸線とロス棚氷を正しく区別して描いていますが,南極半島~ウェッデル海付近は棚氷を含めた状態で描き正確な海岸線が示されていません。  そして,この地図のもう一つの特徴は,西経20度から東経45度の間を扇形に区切るように色を変えて描いていることですが,これはノルウェーがこの地域の領有を主張していることを示すもので,領有権を凍結した南極条約発効後も,このノルウェーをはじめ7ヶ国が分割領有の主張を続けています。実はこのノルウェーの領有主張地域の中に日本の昭和基地が位置しています。

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南極(ソ連)

 今日も南極大陸を描いた地図切手ですが,1956年に当時のソ連から南極科学探検を記念して発行されたもので,図案には同国の観測基地の位置を示した南極大陸の地図が描かれています。  先日2回にわたって紹介した切手に描かれた南極大陸の地図と見くらべると,またちがった形(輪郭)の地図ということになります。  この切手発行当時,すでに発見,調査が進んでいたロス海とロス棚氷(図案地図下方)に関しては海岸線が正確に描かれ,その外側に棚氷が示されていますが,図案左上の細長い南極半島の付け根のあたりにあるウェッデル海とロンネ棚氷は不明のまま描かれています。すなわち,この部分についてはまだ正確な海岸線が解明されていなかったわけです。

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