南極(アルゼンチン)

 南極大陸の領有を主張する地図切手,今日は南米アルゼンチンです。上の切手は同国から1979年に軍部地理局設置100年を記念して発行されたものです。  図案の地図は南米大陸を中央に,その南に南極大陸を描いており,その位置関係がよくわかる地図になっています。すなわち,細長い南極半島は南米大陸のアンデス山脈に連なる環太平洋造山帯の一部になっているわけです。  地図をよく見ると,アルゼンチンの領土の部分を赤枠で囲んで黄色に塗っています。そして同じく領有を主張する南極大陸の陸地部分を赤枠と黄色で示しています。南極半島の東にはロンネ棚氷を区別して描いています。  さらに南米大陸南端付近東方のマルビナス諸島(フォークランド諸島)も赤枠で囲み,その領有をしっかりと主張しています。

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南極(仏領南極)

 昨日の豪領南極の切手で,フランスも南極大陸の一部を領有主張していると書きましたが,それを示しているのが今日の切手です。  上の切手は2004年に仏領南極から発行された,軽飛行機ツインオッターを描いた切手で,同時に南極大陸の地図も描かれています。図案の地図はロス棚氷の一部が飛行機に隠れていますが,経度0度を上に180度を下にして南極大陸の海岸線をはっきり描いた地図になっています。  そしてよく見ると,白い大陸の中にオレンジ色で細長く塗られた部分がありますが,これが昨日も書いたフランスが領有を主張している地域で,海岸線にデュモン・デュルベル基地があります。  そしてこの切手の大きな特徴は何と言っても円形切手ということになるのですが,南極大陸を描くデザインとしては逆に効果的という感じです。

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南極(豪領南極)2

 一昨日紹介した豪領南極の地図切手は,その一番切手シリーズとして5種発行されたうちの1種でしたが,今日の切手も同じくその5種のうちの1種です。  切手図案にはオーストラリア大陸と南極大陸の地図が一昨日の切手よりわかりやすく描かれており,オーストラリアが領有を主張する地域が今度は濃く描かれています。  図案の地図をよく見ると,経緯線が等間隔で描かれ,緯度は10度間隔,経度は30度間隔で示されています。中央の水平線が経度0度と180度の線ということになります。  さらによく見ると,オーストラリアが領有を主張している部分の中で,東経140度付近に色の薄い所がありますが,この部分は実はフランスの領有主張地域で,フランス人の南極探検家デュモン・デュルベルが1837年~1840年に探検,発見した海岸線で,現在は彼の名をとってフランスのデュモン・デュルベル基地が置かれています。

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