フランス

 今日はベルギーの隣国フランスですが,上の切手は1999年に第33回国勢調査を記念して発行されたものです。図案はイラスト風ということで,なかなか楽しい絵地図という感じになっています。  図案の地図をよく見ると,フランス本国(本土とコルシカ島)の周囲に4つの領土が花とともに描かれています。地名を読むと,上側にレユニオン,下側に左からギアナ,マルティニーク,グアドループとなります。すなわちこれらの地域はフランスの海外県ということになり,同時に国勢調査の対象になったということでしょう。  レユニオン島はインド洋,マルティニークとグアドループはカリブ海と大西洋を分ける小アンティル諸島,ギアナは南米大陸に位置します。  ちなみに,他にもフランス領としてはオセアニアのニューカレドニアやワリス・フツナ,タヒチ島などのフランス領ポリネシア,さらにはフランス領南極地方があり,独自の切手を発行しています。

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ベルギー(2)

 昨日に続いてベルギーですが,上の切手は2001年に発行された,ヨーロッパ郵便500年をテーマに郵便配達の歴史に関する図案が描かれた5種のタブ付き切手のうちの1種です。    神聖ローマ帝国時代の独占郵便事業者として有名なタクシスの肖像が切手印面とタブの両方に描かれていますが,彼は主としてベルギーに本拠を置いて事業を展開しました。 タブにはベルギーの地図が描かれていますが,この地図はベルギーの国土を2分するように色わけされています。実際同国は,昨日も 書いたように北部にオランダ系フラマン人,南部にフランス系ワロン人が居住して対立していますが,ちょうどその分布を示す地図になっています。  ちなみに,同国は国王の存在する立憲君主国の小国ですが,フラマン人地域,ワロン人地域に首都ブリュッセルを加えた3地域政府とオランダ語,フランス語およびドイツ語(ワロン地域の一部)の3共同体地域との二重構造の複雑な連邦国家となっています。

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ベルギー

 今日はベネルクス三国の最後の国ベルギーです。主としてオランダ系フラマン人とフランス系ワロン人からなる複族国で,ゲルマンとラテンの接点という地理的位置にあたり,両言語併用地域の首都ブリュッセルはEUの本部が置かれています。  本日「郵趣」2月号が手元に届きましたが,その表紙や巻頭特集にフランスの赤十字切手が登場しています。ということで今日はそのフランスの隣国でもあるベルギーの赤十字切手を取りあげました。  1995年に発行された付加金付きの赤十字切手で,図案の右側にはベルギーの国土を表す地図の中に赤十字マークが描かれています。そして図案の左側には同国の赤十字会長アストリッド王女が描かれていますが,切手全体がパステルカラーの色調で雰囲気のある印面です。  皇族の肖像がこのような形で描かれるというのも,日本切手では考えられないことかもしれません。

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