本年を振り返って

 いよいよ今年も終わろうとしていますが,私にとってのこの1年を郵趣的に振り返ると,今年は春のトピカル展,秋のJAPEXともにワンフレームクラスにこだわって出品したということが最大の出来事でしょう。  同クラスは,そのテーマの設定がワンフレームにふさわしいものということが大前提になるだけに,テーマ設定を考える時点から作品作りがはじまっていることになります。その意味ではこの1年充実した年になりました。  とくにJAPEXでの出品作品「チャコ戦争」は,ボリビアやパラグアイの領有主張地図切手をどのようにテーマティクの中で使うか,使える方法はあるか,以前からずっと考えていたものがようやく実現できたという感じです。  詳しくは郵趣2008年1月号に関連の記事を掲載していただいております。本年も当ブログを訪問していただき有り難うございました。来年も引き続きよろしくお願いいたします。

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ブルガリア(2)

 昨日に続いてブルガリアですが,今日の切手は2005年にブルガリア統一120年を記念して発行されたものです。  同国の領土変遷は複雑な歴史がありますが,ロシア・トルコ戦争後の1878年,サン・ステファノ条約でオスマントルコからの支配を脱したブルガリアは,ベルリン条約により北部のみ自治公国として成立しましたが,南部は東ルーメリアとしてトルコの自治州にとどまります。その後,公国との統一を望む東ルーメリアのブルガリア人が蜂起し,1885年にこの東ルーメリアがブルガリア公国に統合されます。  上の切手図案の地図はそのことを示す歴史的な地図で,北部の緑色の部分に対して,赤色で示された部分が1885年に統合された東ルーメリアに当たります。その後のバルカン戦争の結果,さらに北東マケドニア,南ブルガリアや黒海沿岸のアフトポルを獲得して領土を広げています。

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ブルガリア

 今日は昨日の記事の中で紹介した,ルーマニアとともに本年EUに加盟したその南の隣国ブルガリアです。このブルガリアは宗教的にはルーマニアと同じギリシア正教ですが,民族的にはスラブ民族になります。  上の切手は同国の国土形態がよくわかる地図切手ですが,1947年に首都ソフィアでの世界エスペラント大会開催を記念して発行されたものですが,大会のための付加金付きの切手になっています。そして,図案の地図には開催地のソフィアの位置が示されています。  エスペラントというのは,ポーランド人のザメンホフが提唱した国際語のことで,切手印面には彼がエスペラント語を発表した1887年と死亡した1917年の年号が表記されています。ちなみに本年2007年は日本の横浜で世界エスペラント大会が開催されました。

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